不整脈外来
不整脈外来
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不整脈とは、読んで字のごとく、脈が不整になることです。整っている脈、つまり正常の脈拍とは、「安静時に1分間に50~100回、規則正しく打つ脈」です。
それ以外の脈拍を不整脈と言いますが、運動時や興奮したときに、脈拍数が100回/分以上になることは、生理的な反応であり、不整脈とは言いません。
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最も頻度の多い不整脈は「時折、脈拍が飛ぶ」期外収縮です。予期したときから外れて心臓が収縮するのでそのように呼ばれています。期外収縮の起源によって、上室性(心房性)期外収縮と心室性期外収縮の2種類があります。
また、治療すべき不整脈で最も頻度の多いものは心房細動です。心臓の心房というところが、非常に速い頻度で興奮して、心室と連携して拍動しなくなります。心拍のリズムの規則性は完全に失われ、心拍数は40〜230拍/分に変動します。心房と心室が連携して動かないため、心臓の中で血液が淀み、血液の塊(血栓)ができやすくなり、それが飛んで脳の血管に詰まると、脳梗塞を起こしてしまいます。心臓は通常、速い頻度で興奮し続けるために、疲労困憊し、心臓の収縮力が弱まり、動いた時に息切れを自覚するようになります。この状態を心不全といいます。
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心房細動の3大は、「加齢」、「高血圧、心臓病」、「飲酒」です。
下の表は、アメリカ合衆国と日本の疫学的調査により判明した、心房細動の危険因子です。細かいところは多少異なりますが、この2つに共通することは
です。
また、この3つに共通することは、心臓にストレスがかかった状態だということです。
これらのストレスにより、心臓に傷がつき(変性し)、そこから心房細動が発生し始めるのです。
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心房細動による3大症状は、「動悸」、「息切れ」、「めまい」です。
心房細動になると、心拍の規則性が完全に失われてしまいます。そして、病初期には、心拍の速さは一般的に速くなります。この不規則で、速い心拍のために、動悸を自覚します。
ちなみに、心拍数とは、心臓が拍動する回数のことで、脈拍数とは、血管が拍動する回数のことです。洞調律の人は、この両者は一致します。しかし、心房細動患者様の多くは、一致しません。心拍数>脈拍数となります。
心房細動で脈拍数が100拍/分の人は、心拍数はそれ以上の120〜150拍/分になっています。
また、心拍数が速くなると、心臓は疲弊し、その内、収縮する機能が低下します。運動しても、体が必要とするだけの、血液を送りだすことができません。そのために「息切れ」を自覚します。それまで何ともなかった坂道や階段が息苦しくて、いっきには昇れなくなります。
そして、心房細動患者様は、洞不全症候群といって、脈拍が遅くなる病気も持ち合わせていることがあります。
そういう人は、心房細動が停止した際に、洞結節が働き出すのがおくれ、5〜10秒程度、心拍動が停止します。その間、血液は脳に運ばれないので「めまい」を自覚します。ひどい場合には、失神します。
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心房細動の治療には、「生活習慣の改善」「脳梗塞予防」「症状を改善する治療」の3つの柱があります。
① 生活習慣の管理
近年の研究では、生活習慣の改善が心房細動の発症予防や再発予防に重要であることが明らかになっています。
特に次のような管理が推奨されています。
* 血圧を適切に管理する
* 肥満を改善する
* 適度な運動を継続する
* 禁煙する
* 飲酒を控える
* 糖尿病や脂質異常症を治療する
* 睡眠時無呼吸症候群の検査・治療を行う
これらの取り組みにより、心房細動の進行や再発リスクを減らせることがわかっています。
② 脳梗塞予防のための抗凝固療法
心房細動では、心房内に血液のよどみが生じ、血栓(血のかたまり)ができやすくなります。
その血栓が脳の血管に飛ぶと脳梗塞を起こすため、リスクに応じて抗凝固薬(血液を固まりにくくする薬)が使用されます。
現在はDOAC(直接経口抗凝固薬)が第一選択となることが多く、
* アピキサバン
* リバーロキサバン
* エドキサバン
* ダビガトラン
などが広く使用されています。
年齢や合併症、腎機能などを考慮して薬剤を選択します。
③ 薬物治療
薬物治療には大きく2つの目的があります。
心拍数を調整する治療(レートコントロール)
脈が速くなり過ぎることを防ぎ、心臓への負担を軽減します。
主に
* β遮断薬
* カルシウム拮抗薬
* ジギタリス製剤
などが使用されます。
正常な脈を維持する治療(リズムコントロール)
抗不整脈薬を用いて正常な脈を維持する治療です。
症状の強い方や比較的早期の心房細動では、正常なリズムを維持することで生活の質の改善や心不全予防が期待できます。
近年は「早期リズムコントロール」が心血管イベントを減らす可能性が示されており、発症早期から積極的な治療が検討されるようになっています。
④ 非薬物治療
カテーテルアブレーション
現在の心房細動治療で最も重要な非薬物治療です。
足の付け根などから細い管(カテーテル)を心臓まで進め、異常な電気信号の発生源を焼灼または冷凍凝固して治療します。
近年は治療技術が大きく進歩し、
* 高周波アブレーション
* クライオバルーンアブレーション
* パルスフィールドアブレーション(PFA)
などが実施されています。
特にPFAは近年導入が進んでいる新しい治療法で、周囲組織への影響を抑えながら効率的に治療できることが期待されています。
現在では症状の強い患者さんだけでなく、心不全を合併している患者さんや比較的早期の患者さんに対しても積極的に検討されています。
左心耳閉鎖術
出血リスクが高く抗凝固薬の継続が困難な場合には、心房内で血栓ができやすい左心耳を閉鎖する治療が選択されることがあります。
心房細動治療の目標
心房細動治療の目的は、
* 脳梗塞を予防する
* 症状を改善する
* 心不全を予防する
* 健康寿命を延ばす
ことです。
近年は、生活習慣の改善、適切な抗凝固療法、早期のリズムコントロール、カテーテルアブレーションを組み合わせた包括的な治療が重要と考えられています。気になる症状や脈の乱れがある場合は、早めにご相談ください。